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点火系チューニングと点火系チューニングによるリスクをご理解頂くための用語の解説と注意事項など掲載しております。

イグニッションコイルとは
 イグニッションコイル(点火コイル)は、内燃機関の点火プラグで放電するための電圧を作り出す変圧器のことを言います。
従来は1個のイグニッションコイルから、ディストリビューターを介して各気筒に分配する方法が一般的であったが、1980年代中盤頃から各スパークプラグに1個ずつイグニッションコイルを使用するダイレクトイグニッション方式に変わってきました。
イグニッションコイルのにつきましては  こちら をご覧きますとより詳しい解説がされておりますのでご参考としてください。

ダイレクトイグニッションコイルとは
 ダイレクトイグニッション(点火コイル)は、点火装置の方式の一つで、ディストリビューターを介さずにイグニッションコイルで発生させた高圧電流を直接点火プラグに供給する方式で、イグニッションコイルとスパークプラグの間にプラグコードを使用するタイプとイグニッションコイルの先端キャップ部分が直接スパークプラグに接続されるタイプがあります。また、ダイレクトイグニッションにも大きく分けて2種類あります。

1.イグナイター内蔵型 (イグニッションコイルとイグナイターが一体化されたタイプ)
2.イグナイター非内蔵型(イグニッションコイルの機能のみを持ち、イグナイターを外部もしくはECU内部に配置しているタイプ)

ダイレクトイグニッションコイルにつきましては  こちら  をご覧きますとより詳しい解説がされておりますのでご参考としてください。

イグナイターとは
 イグナイターは、ECUからの信号で、点火コイルを動かすための部品となります。
イグナイター(1次側)の動作は、ECUからの5V信号を点火前まで受けており、この信号を停止(ほぼ0V)する事で、イグニッションコイル(2次側)を駆動させる役割を持っています。
 また、スパークプラグへの点火が行われるとおおよそ300Vもの逆起電力が発生するため、イグナイターにはIGBT(トランジスタ)とFET(電界効果トランジスタ)、ダイオードなどの高電圧に耐えられる、半導体で構成されています。

マルチスパークとは
マルチスパークは、一回の点火の際に、数回のスパークを飛ばす方法のことです。
 従来方式では、MSDやのMDIが有名で、中でもMSDはアメリカのレースシーン(NASCAR において)全車に採用されています。
 最新方式では、当社 Ignite MSI が、ダイレクトイグニッション機構をそのままにマルチスパークする事のできる、唯一のユニットとして発売しております。

CDIとは
キャパシター・ディスチャージド・イグニッション(CDI) は、コンデンサを利用した電子制御式点火装置のことを言います。
 CDIは、ポイント式やセミトラ式ディストリビューターなどを用いた旧車の点火装置強化のために用いられるもので、配電機能は純正ディストリビューター、コンデンサへの電流断続機能はイグナイターに分担させることにより作動させられるが、イグニッションコイルもそのCDI専用の強力な物に交換しなければならない為、高額な費用が必要となる場合があります。
 
MSDとは
 アメリカのMSD社のマルチスパークユニットの名称となります。
 MSDの動作は、1000RPMまで3回、1500RPMまで2回、3000RPM以上では1回スパークを行います。
 ただし、これらのユニットでは現行のダイレクトイグニッションコイルのままでは使用できないことに加え、5A以上もの電流を消費するデメリットもあります。
 また、、現行のダイレクトイグニッションコイル車にMSDを装着する場合、ノーマルイグニッションコイルを取り外し、MSD専用の点火装置を設置することが必要で、取り付けできる車種が非常に限定されている場合が多く費用も高額となります。
 最新方式では、当社開発の Ignite MSI のご使用により、既存のダイレクトイグニッションコイルの変更をすることなく、マルチスパークをさせる事が可能となりました。
 Ignite MSI は、 3000rpmまで3回、5000rpmまで2回、それ以上は1回のスパークを行います。
 
点火系の故障について

 点火系の故障は、点火系を変更していない車両においても、イグニッションコイルが突如として作動しなくなったり、イグニッションコイル以外の故障による要因からイグニッションコイルを損傷することもあります。点火系チューニングの有無に係らず点火系の故障が発生する可能性がある事をご承知おきください。
 走行中に点火系が故障すると、場合によってはエンジンが停止し、急減速してしまう事なども考えられます。また、点火系チューニングを施工した場合には、ノーマル状態に比べ故障リスクが高くなる場合もあります。
 マルチスパーク機能においては、イグナイターの作動回数が増えるため攻撃性が高まる可能性がありますので、十分ご理解の上ご装着を頂く必要があります。


点火系チューニングのリスクと対策
 点火系のチューニングにはリスクが伴います。
 一般的にはイグニッションコイルが壊れた場合、断線してスパークプラグに点火が行われなくなり、エンジン不調となります。
 この状態のまま走行を続けると生ガスが排出されることにより、触媒装置を痛めてしまう事もあります。
 この他、エンジン本体やアースポイントにおけるアース不良(接触抵抗の増加)、コネクターターミナルのアース不良(接触抵抗の増加)やプラグホールにオイルだまりがあるとイグニッションコイルに電流が流れ続けてしまう恐れがあります。
 この現象が起こると、イグニッションコイル本体が発熱しイグニッションコイル内部のイグナイターがショートする方向に壊れ、その影響によりイグニッションコイル本体やハーネスが溶けてしまうこともあります。
 また、その状態のまま走行を続けてしまうと、ECUまで壊してしまう可能性も考えられますので、アースポイントの接点接触を良好に保つ様にして頂いたり、アース強化、プラグホール内にオイルがにじんでいたり、オイルが溜まっていないかなどの点検をすることで、それらの原因とはなる可能性を低減させる効果が期待できます。
 点火系チューニングの有無に係らずイグニッションコイルの経年劣化により起きる可能性もありますが、大抵、点火系チューニングを行った車両に故障が発生した場合、直接点火チューニングの影響でなかったとしても、それらを装着していることが原因による損傷であるとの見解を受けることがあり得ますので、それらの事をご承知おき頂いた上で、点火チューニングを施工して頂きます様お願いいたします。

点火系の主な故障としては、

1)イグニッションコイル本体の故障
2)エンジン本体やアースポイントの経年劣化などよるアース不良(接触抵抗の増加)が発生し、イグニッションコイルに過電流が流れることでのダイレクトイグニッションコイルの破損
3)ガスケット等の不具合によりエンジンオイルが、プラグホールに溜まる事でイグニッションコイルに過電流が流れることでの、イグニッションコイルの破損
4)コネクターハーネスの断線、ターミナルの接触不良
5)スパークプラグの性能低下。マルチ電極タイプのスパークプラグは、劣化時に失火の原因となることが多く見受けられます。
6)マルチスパーク装置によるイグナイター作動回数の増加によるイグニッションコイルの破損

などがあげられます。

イグニッションコイルとスパークプラグの交換の目安
2000年ごろからだと思いますが、ダイレクトイグニッション化が進むにつれ、自動車メーカーの設計者からイグニッションコイルメーカーへの要求対応距離は約16万Kmと聞いております。
しかし、実際にはその走行距離に達するまで性能維持するということではなく、使用が出来るような設計すると言う意味です。
基本的に、熱影響をもろに受け徐々に劣化して行きますので、おおよそ4万kmから5万Kmがイグニッションコイルの交換時期であると弊社では考えております。

1985年ごろから登場した白金プラグからイリジウムプラグ・ルテニウムプラグへと時代と共に変化するスパークプラグですが、自動車メーカーでは、スパークプラグについても10万Km 無交換で良いとしています。
しかし、スパークプラグも消耗品となりますので点火チューニングのみならず一般使用においても、おおよそ5万km毎にイグニッションコイルとスパークプラグを同時交換されることを強くお勧めします。


 上記要綱をご理解頂いた上で、点火チューニングをご堪能いただきたいと思います。
 
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